フランスの高級デパート「プランタン」がウォール街にオープンするというニュースは、開店前からニューヨーク中の話題をさらっていた。3月21日のグランドオープン直前にはSNSでも情報が拡散され、大きな注目を集めていた。

当日、アナ・ウィンターがテープカットを務めたという報せが入り、気づけば初日の夕方、プランタンのあるウォール街へと足を運んでいた。
オープンしたばかりプランタンの入り口には、長蛇の列ができていたが、むしろ期待感を煽っているように感じる。1時間以上並んだ末、ようやく中へと足を進める。

入り口に足を踏み入れた瞬間、緑の香りがふんわりと漂い、鳥や虫の心地よい音に包まれた静かな空間が広がっていた。まさに「街の真ん中に現れた春の森」という表現がぴったりである。

店内に進むと、フランス語が飛び交いまるでパリにいるかのような錯覚になる。建物はアールデコ機構の歴史ある空間であり、2フロア、55,000平方フィートという広さを調和している。

1階奥には、天井までLEDスクリーンで覆われた異世界のような不思議なスニーカールームが広がっている。

デザイナーズファッション、アクセサリー、雑貨などがセレクトされ、一般的なデパートとは一線を根本的に切り離すキュレーションが光っている。有名ブランドとのコラボレーション商品や、一点物のアイテムが並び、そのどれもがインスピレーションに溢れている。

エスカレーターで2階へ上がると、そこには美術館のような空間が広がっていた。

アートブックが随所に配置され、ヴィンテージのバーキンなどもある。

印象的だったのは、静かに広がるアールデコの空間と、秘密の洞窟のように隠されたビューティーエリアである。そこは没入感のある神秘的な場所だった。
また、2階には「サロン・ヴェール」という名のフードバーがあり、シャンパンを手に過ごすだけで、都会の喧嘩を忘れさせる優雅なひとときが味わえる。

ブロードウェイを見下ろしながら、生鮮食品とともにくつろげる空間となっている。メニューを少し紹介すると、オイスターの盛り合わせ、シュリンプカクテル、キャビアなどがある。シャンパンは、ルイナール、ジャン・マルク。セレックなどが並んでいる。

取り扱うブランドは実に多彩であり、選ばれたアイテム一つ一つにストーリー性とこだわりが感じられる。

オープニング記念で販売していたマッチを2箱購入したら、袋に香水をかけてくれたのもフランスらしい。最後まで春の森にいる気分だった。
次回は、「サロン・ヴェール」でシャンパンをゆっくり味わいながら、この美しい世界をもっと深く探求してみたい。
取材・文・写真/藤原ミナ
Printemps New York
住所
One Wall St.
営業
10:00-19:00
詳細
https://us.printemps.com/
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