共同通信

インドにはファストフードのケンタッキーフライドチキン(KFC)に似せた名を掲げる小さな飲食店がちらほらある。Kを別のアルファベットに置き換えた「~FC」の写真を日本人写真家が交流サイト(SNS)に投稿したところ注目を集めた。「本家」の人気にあやかろうとする店主たちのたくましい商魂がのぞく。(共同通信ニューデリー支局=岩橋拓郎)
インドをバイクで旅しながら、主に働く男性たちの写真撮影を続ける三井昌志さん(50)が、道中たまたま目に入った店の看板を撮りためてきた。最初の出合いは2016年のNFC。それ以来、AFC、BFC…とアルファベット26文字のうち18文字までそろった。
三井さんは2007年に初めてバイクでインドを1周し、2024年3月に10周目を達成。自由気ままなバイク旅をしているうちに「街中の『何とかFC』の看板を注意して見るようになってきた」と言う。
「こうした名称の店は南インドに多く、10席程度の小さな個人営業の店に目立つ」との傾向が見えてきた。リッチのRやクオリティーのQを冠するなど店側は知恵をこらす。「FC」は大半がフライドチキンの略だが、中にはフードコートやフードセンターも。それでも共通するのはフライドチキンを提供する点だ。
数多くあるファストフードチェーンの中でKFCに似せた店名が多い理由について、三井さんは「鶏肉に親しみやすい食文化」を挙げる。「多数派のヒンズー教徒は牛肉を食べず、イスラム教徒は豚肉を口にしない。ポピュラーな肉といえば鶏肉になる」
首都ニューデリーにあるFFCの店主カルタル・シンさん(43)は「店名はファン・フライドチキンの略」と説明。「近くにあるKFCの店員もうちに食べに来る」とKFCへの意識を隠さないが「最高のフライドチキンを提供したいからこの店を開いたんだ」と、店名ではなく品質にこだわる姿勢を強調した。





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