皆さん、一週間お疲れさまでした。“日本カレンダー”の新年度をいよいよ来週に控え、陽もだいぶ長くなり、すっかり春らしくなってきましたね。
先週、3月20日の国際幸福デーにあわせて、今年も国連などによる「世界幸福度報告書」が発表され、日本は55位と2年連続で低下する結果となりました。同報告書は、2012年に始まり、今年が13回目ですが、日本はランキング化された2013年度の43位を最高として、その後低下傾向にあります。。。
基準は、「1人当たりGDP」、「社会的支援(困ったときに頼れる人がいるか)」、「健康寿命」、「選択の自由(人生をどう生きるかの自由)」、「寛容さ(寄付やボランティアの頻度)」、「腐敗の認識(政府や企業への信頼)」を基準に、日本は「健康寿命」や「治安」は非常にいいものの、「寛容性」や「社会的つながり」の項目では引き続き世界平均を下回る傾向が強いようです。特に、「見知らぬ人を助けたか?」という項目に対しては、参加国147ヵ国中147位ですからね。(“おもてなし”の国、Japanが。。。ちなみに、同項目のトップ3は、Jamaica, Liberia, and Trinida and Tobagoで、全体トップのFinlandは96位ですからね。やっぱり、暖かい国の方が、見知らぬ人には、優しくなれる、ただし財布を落とすと、却ってこない? ちなみに、日本も“財布を落として却ってくる”ランキングが30位前後というのは、ショックですね(警察でも。。。)。子供の時に学校で、“財布を拾ったら、交番に届けましょう”とあれほど習ったのに。)
ただ、このランキングは、自己申告による人生満足度の平均値で決まるので、“控えめに点数をつける”日本人は、そもそも低めにでる傾向もあるように思います(ちなみに、お隣韓国も58位で、日本と似た傾向にあります)し、幸福度に関しては、国全体よりも個人の価値観が、あまりランキング自体は気にする必要がないように思いますが、改めて考えされる点は非常に多いように思います。
「社会的つながり」に関連しては、“若年成人(18-29歳)の孤立感・将来不安”への対応だと思います。同報告書でも、日本は特筆(“Japan stands out starkly”)されており、およそ30%以上が、「親しい人がいない」と回答し、これは調査対象22カ国の中で最も高い社会的孤立率であるとともに、異常値に近いと評価されています。「困ったときに頼れる人がいる」と感じる割合も、世界的に最低レベルとなっています。この課題は、昨年行われた日本財団による18歳意識調査でも示されており、自国、自身の将来性については、調査国6カ国中最も低い数値であり、日本の国際社会におけるリーダーシップ性に関しても最下位でした。また、高齢者と若者への支援ギャップに関しても6カ国中最大となっています。
もう一つはやはり、上記でもふれた(寄付やボランティアをふくむ)「寛容性」だと思います。NYと東京を比べた際の街のきれいさなどからみられるように、日本は “配慮”(周りにマイナスの影響をあたえない)という“寛容さ”は十分に兼ね備え、これらは訪日外国人観光客の大幅な増加などで、世界的にもおおいに評価されていると思います。一方で、寄付やボランティアといった“寛容さ”(周りにプラスの影響をあたえる)ということには、まだまだ慣れていないのだと思います。ただ、ここに関しては、これからのグローバル時代に、“阿吽の呼吸”は通じないので、やはり自分の意図を“形”に表すということかと思います。
外出が気持ちよくなってきていますので、気分転換も兼ねて、まずは気軽に、ここNYで、日本人コミュニティへのボランティアなどからはじめられるのはいかがでしょうか。同報告書にも、「Like ‘mercy’ in Shakespeare’s Merchant of Venice, caring is “twice-blessed” — it blesses those who give and those who receive.」 (日本語でいうところの“情けは人のためならず” ですね。物質的だけではなく、精神的にも。) では、引き続き楽しい週末をお過ごしください。
代表 武田 秀俊
今週の1枚

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