2025.04.01 DAILY CONTENTS NEWS

ニューヨークで話題の「あのアイス屋さん」、行ってみたらまるで未来のガチャガチャだった

「サプライズ スクープ(Surprise Scoop)」という一風変わったアイスクリーム店が、今SNSで話題になっていると聞いて、足を運んでみた。「アイス=食べるもの」という常識をくつがえす、まさにサプライズな体験をした。

店内はスタッフがいなくて、「PICUK UP HERE」と書かれた扉があるのみ

イーストビレッジにある「サプライズ スクープ」は、1番街を歩いていると通り過ぎてしまいそうな無機質な外観。

アイスクリーム店に見えない紫色の無機質な外観

中に入っても、スタッフは誰もいない。タッチパネルでの無人注文、味は選べず、出てくるのは運任せの「サプライズアイス」。

店内にあるパッチタネル

注文する際に選べるのは、1種類のみ。だたし、「ホイップクリームなし」「グルテンフリー」「チェリーなし」「ベリー系なし」はチェックできる。最後に「交換、返品できません」の同意欄にチェックを入れてオーダーする。税込み10.27ドルを支払い、あとは待つだけ。

ついに扉が開いてアイスが登場

そして数分後、番号が呼ばれ、「PICK UP HERE」と書かれた扉が開いて、アイスが入った茶色のボックスがぽんとカウンターに置かれる。


その瞬間こそが、一番のクライマックス。

さてお味は?

「アイス、何味なんだろう?」


そこに現れたのは、ホイップクリームの上にチェリーがのっているピンクのアイスクリーム。でも、味を指定していないので、見た目だけでは何味なのかまったくわからない。おそるおそる一口食べてみると…口の中にふわっと広がったのは、甘いチェリー味。一口食べてから少し間を置いて「…あ、これチェリーだ」と脳が味を認識する、その「間」すら楽しく感じてしまう。

どこか懐かしい、アメリカの駄菓子を思わせるフレーバー。正直なところ、それほど得意な味ではなかったのもあり、つい他の人が何を食べているのか気になってしまうのも、この店の面白さ。

次に来たお客さんが手にしたのは、チョコレートがかかったアイスクリームだった。本当に、ひとりひとり違う味が出てくるらしい。

「チョコレートがよかったな…」そんなふうに、自分以外の人のアイスの味が気になってしまうのも、この店の魅力。一度体験すると、ついまた訪れて別の味を試したくなってしまう。まるでガチャガチャをもう一回引きたくなるような、そんな中毒性がある。

SNSでは、「おもしろそう!」「行ってみたい!」という声もあれば、「その味苦手なんだけど…」「10ドルでハズレだったら泣ける」なんていう本音コメントもちらほら。

でも、きっとそれも「サプライズ スクープ」の魅力のひとつ。


食べるまでわからないからこそ、「今日は何が出るんだろう?」というワクワクが生まれる。それはまるで、ガチャガチャ。


自分では選ばない味との偶然の出会いも、ちょっとした新しい自分を発見するような気持ちになる。

このアイスの本当の価値は、「味」だけじゃない。食×サプライズ×ストーリーという、新しい体験だ。

10ドルで買えるのは、味以上のドキドキ。
あなたもぜひ、今日だけの「自分のアイス」体験に出会いに行ってみて。

取材・文・写真/藤原ミナ

Surprise Scoop

住所
139 1st Ave.
営業
月~木 14:00-22:00
金 14:00-23:00
土日 0:00-22:00
公式インスタグラム
https://www.instagram.com/surprisescoopnyc/

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