共同通信

小麦5トンに豆2トン―。インド北部アムリツァルにあるシーク教の総本山「黄金寺院」の食堂は、巡礼者や来訪者のために毎日無料で食事を提供している。1日10万食に上るとされ、大量の食材は全て寄付で賄う。宗教にかかわらず振る舞う太っ腹なサービスはシーク教の「皆平等」という教義を体現している。(共同通信ニューデリー支局=岩橋拓郎)
食堂「グル・カ・ランガル」は24時間利用でき、予約不要で誰でも入れる。建物の入り口でスタッフから銀の皿とスプーン、コップを渡される。一度に5千人が食事を取れる大部屋に入り、床に敷かれた布に座ると、スタッフが食器に食事をよそってくれる。お代わりは自由。教義実践のため16世紀から続けられているとされる。
基本のメニューは豆入りなど数種類のカレーとチャパティ(薄焼きのパン)。米を牛乳で煮た甘いおかゆや野菜を出すこともあり、日によって多少変わる。食事時には頭を布で覆い、食器は洗い場に自分で戻すといった決まりがある。
食事の準備や配膳、食器洗いを担うのは数百人のボランティア。地元出身のシーク教徒グラール・シンさん(20)は「食べ残しのチャパティは乾燥させて砕き、動物にあげている」と説明した。
ヒンズー教徒が多数派のインドで、シーク教徒は人口の2%に満たない。カーストという身分制度で知られるヒンズー教と対照的に「神の前で人は平等」との教えを持ち、男性は頭にターバンを巻く。
食堂の厨房には大人が入れるほどの巨大鍋が多数あり、老若男女十数人がチャパティ作りに精を出していた。性別や年齢、地位に関係なく同じ場所で一緒に料理をする姿が教義を反映しているかのようだ。
首都ニューデリーから家族旅行で訪れていたヒンズー教徒の会社員ラメシュ・クマルさん(48)は「さまざまな宗教の人が食事を共にするのは素晴らしい機会だ」と絶賛した。






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