【6月30日付ニューヨークポスト】スタテン島ニューブライトンにあるスナッグハーバー文化センター敷地内の地面から6月30日までに、100以上の墓石が発掘された。
これらは1833年から1975年の間に亡くなった元商船員の墓石であり、数十年前に墓荒らしから守るため、同センターに隣接する墓地、セーラーズ・スナッグ・ハーバー・セメタリーから運び出されたが、その後、時間の経過とともに忘れられてしまっていたという。
引退した商船員のための高齢者用施設、セーラーズ・スナッグ・ハーバーの一部だった6エーカーの同墓地。同施設は文化センターとして使用するためニューヨーク市が買い取り1976年に閉鎖されたが、墓地は所有者である不動産業者が管理し続け、そのままに。墓石は一時、数千あったが、現在残るのは14のみで一般の立ち入りはできない。
初代の墓石は墓地用の敷地が足りなくなったため、4桁のID番号を刻んだ小さなセメントの石に取って代わるも、それからさらに縮小するため鉄製のプレートになった。約120のセメント製の墓石は発掘場所からほど近い博物館、ノーブル・マリタイム・コレクションに展示されている。同博物館のニック・ドウェンさんは、「誰の墓かを特定するのは困難だ」と話す。
セーラーズ・スナッグ・ハーバーは、アレクサンダー・ハミルトンによって記述されたロバート・リチャード・ランドール船長の遺言により1801年、「年老いて使い古された船乗りたち」のために設立。引退した商船員のための米国最古の高齢者用施設として利用され、1900年代初頭は約1000人が余生を過ごしていた。
「埋葬された全員の名簿が残っているが、正確な場所は分からない」と話すのは、現在も毎月芝刈りをし、墓を管理するジェイ・ブルックスさん。地元の無縁墓地保護団体も墓石の洗浄と立て直しを計画するなど、「厳粛な場所」を守っている。