【8日付ニューヨークタイムズ】マンハッタン区のサイラス・バンス・ジュニア地区検事長は、刑事訴訟手続きの初期段階で不当起訴を見極めるため、ニューヨーク市警察(NYPD)に警官の懲戒履歴および捜査記録の電子データへのアクセスを求めている。
検事局が事件現場にいた警官および証人の信頼性についての証拠を早期に弁護側に示すことで、不正起訴の防止につながることは以前から主張されてきた。改革派検事の多くは、証人に危害が及ばない限り弁護側の立場で証拠開示手続きを進める傾向にあり、ブルックリン区検事局では数年前から「オープンファイル」での証拠開示手続きを採用している。
以前は最終段階まで証拠の開示を行わないといわれていたマンハッタン区検事局でも、証人が不在の非暴力事件において罪状認否の段階での証拠の開示を始めた。
記録公開を求める動きは2014年7月にスタテン島でエリック・ガーナーさん=当時(43)=がNYPDのダニエル・パンタレオ巡査=当時=に締め技をかけられ窒息死した事件で、NYPDが同巡査の懲戒履歴の記録公開を拒んで以降、強まっていた。同事件の裁判担当判事は後にNYPDに記録を公開するよう命じている。