【7日付amニューヨーク】クイーンズ区ロング・アイランド・シティー(LIC)36丁目のすし製造工場だった建物が、24時間営業の音楽施設、「ジ・アーク」として生まれ変わる。来年早々のオープンを目指して改築を進めており、コンサート会場やレコーディング用スタジオとして使われる予定。現在は地元劇団などが「芝居小屋」として利用している。
1931年に建てられ、昨年7月まで25年以上すし製造工場として使われていた建物の最大の特徴はアーチ型の木製の天井だ。建物の所有者で、コンサート紹介サイトDMNDRの創業者、ジョン・ベリツスキーさんによると抜群の音響効果が期待でき、ニューヨーク市内で同様の天井を持つビルを見つけるのは難しいという。ベリツスキーさんは「(すし工場として利用していたのは)超高級車をホットドッグの屋台に使っていたようなもの」と話す。
ベリツスキーさんがこの建物に目を付けたのは、将来有望なアーティストのためのコンサート会場を探していた昨年秋。実際に改築を始め、アーチ型の天井を見たとき、会場名を「アーク(円弧)」にしようと決めたという。「音楽家たちの成功へのアーク(架け橋)になってほしいという思いも込めた」と目を細めた。