【10日付ウォール・ストリート・ジャーナル】小売大手ウォルマートが待望のニューヨーク市内進出を果たす。同社が2年前に買収した電子商取引(Eコマース)のベンチャー企業、ジェット・ドット・コムが、ブロンクス区に配送センターを構えることを計画している。今秋営業を開始し、食料品と日用品の当日または翌日宅配サービスをニューヨーク市内で始めるという。
商品を指定時間に受け取れる宅配サービスで競合他社との差別化を図る。ジェット・ドット・コム社長のサイモン・ベルシャムさんは9日、ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に、配送を待つ消費者にとって「時間指定の受け取りは、短時間での配送と同じくらい重要な要素だ」と話した。
ベルシャムさんによるとウォルマートによる買収以来、同社は顧客ターゲットをこれまでウォルマートの店舗がほとんどなかった都市部に住む富裕層に絞ってきたという。
ジェット・ドット・コムは以前にもニューヨークなど米北東部の都市で事業を展開してきたが、物流大手フェデックスなどの運送業者を通したもので、通常は翌々日配達だった。受け取りの時間指定方法や配達料金については未定。ウォルマートは今年中に全米100都市で食料品の当日宅配サービスを展開したいとしている。