【9日付ニューヨークタイムズ】20年以上にわたりドナルド・トランプ氏の専属運転手を務めたクイーンズ区のノエル・シントロンさん(59)が9日、3000時間を超える残業代が支払われていないとして、同氏と同氏が当時経営していたトランプオーガナイゼーションを相手取り、残業代の支払いなどを求めマンハッタン区の地方裁判所に提訴した。
シントロンさんによると、基本的に始業は午前7時、週に55時間働き残業時間は1日平均5時間。未払いの残業代は少なくとも16万ドル(約1800万円)とされる。まとまった休暇や病欠はなく、経費の一部も支払われなかった上、相応の昇給もなかったという。また、運転手業務だけでなくトランプ氏やその家族、同社の重役の雑用も行っていたにもかかわらず、トランプ氏が大統領に当選してからは大統領付きのシークレットサービスが護衛と運転手を務めるようになったため、職を失ったと主張している。「トランプ氏の行いは無慈悲極まりなく、賃金搾取といえる」と非難した。
トランプ氏の下で働いた数人の元従業員が、同様に賃金未払いで訴えているが、トランプ氏は対応していないという。
同社の広報担当者はブルームバーグの取材に、「法に従い全額支払った」と話している。