【19日付ニューヨークタイムズ】石油会社が化石燃料を大量に製造・販売したことで地球温暖化が進み、損害を受けたとして、ニューヨーク市が石油大手5社に市の温暖化対策費の負担を求めて起こした訴訟で、ニューヨーク州南部地区連邦地裁は19日、市の訴えを棄却した。市は控訴する意向。
ジョン・キーナン判事は判決で「地球温暖化は国家的に統一された解決策が求められるもので、行政府および立法府が対処すべき」とし、州法で解決しようとした市の見解を「非論理的」と否定。国をまたぐ共通の問題の責任を司法府が決定付けることは、「行政府の裁量下にある外交政策の決定を深刻に侵害する」と述べた。
市はBP、シェブロン、コノコフィリップス、エクソンモービル、ロイヤル・ダッチ・シェルの5社に対し、「化石燃料が地球温暖化を進めていると知りながら排出し続け、温暖化の原因は化石燃料だと証明する科学研究を否定する広報活動を展開した」と主張。気候変動の危険から市民を守るために数十億ドルの損害賠償を支払うべきだと訴えていた。
地方自治体や州が、同様の問題について司法府に対処を求め棄却されたのは2件目。カリフォルニア州サンフランシスコ市の連邦地裁は先月、同市およびオークランド市を原告とする訴えを棄却している。