【24日付ニューヨークポスト】ニューヨーク市内の地下鉄駅や線路で起こる火災件数が昨年より微増していたことが、ニューヨーク州都市交通局(MTA)が24日に発表した統計から分かった。MTAは昨夏から地下鉄網における火災の防止に取り組んでいるが、効果は現れていないようだ。
統計によると、7月1日までの12カ月間に市内の地下鉄網で起きた火災は963件で、前年同時期より3件増えた。出火原因として継続して最も多いのは、線路に捨てられたごみの上を電車が通過する際の引火。この数は671件で、前年の698件からわずかに減少していた。
市では昨年、7月にマンハッタン区ハーレムの地下鉄D線の線路から出火、9人が負傷するなど、地下鉄火災が多発。MTAはこれを受け、同月発表した地下鉄網の改良計画「サブウェイ・アクション・プラン」に火災対策も組み込んでいた。
同計画では、乗客にごみをごみ箱に捨てるよう呼び掛けた他、新たな線路清掃車両を複数導入。同計画の開始以降、線路や駅から約3000トンのごみを回収したという。
計画の効果が数字に現れていないことについて、MTAのチャールズ・モードラー理事は「地下鉄駅への食べ物の持ち込みを禁止するなど、抜本的な改革が必要」と話した。