【23日付ウォール・ストリート・ジャーナル】ニューヨーク市警察(NYPD)は昨年、民間の犯罪アナリスト100人を採用した。表計算ソフトのスプレッドシートを武器に犯罪捜査に貢献している。
犯罪が複数の地域にまたがると、その関連性は見落とされがちだ。NYPD犯罪予防戦略課のローリー・ポラック課長によると、1年前まで膨大なデータベースを手探りで分析していたという。「スプレッドシートの扱いに熟練していれば、2、3回クリックするだけで(関連性を)発見できる」と話した。
今年6月、クイーンズ区で起きた5件の強盗事件では、アナリストの分析から、午後10時から深夜の間に発生し、被害者がタクシー運転手であることが全件で共通していることが判明。犯人が一貫して車内の携帯電話を奪っていたことも分かった。これらの共通点を現場で捜査に当たる警官に流した数日後に容疑者逮捕にこぎつけたという。
警官がデータ入力など煩雑な作業から開放され、現場業務に専念できるといった利点もあり、NYPD内ではアナリストの役割が増えつつある。ポラック課長は、「デスクに座っていながらでも犯罪は解決できる。情報はすでにあるのだから」と自信をのぞかせた。