【25日付ニューヨークタイムズ】2001年に起きた米同時多発テロ(9.11)の犠牲者1人の身元が新たに確認され、ニューヨーク市検視局が25日、発表した。身元確認の約9割を占めるというDNA鑑定の技術進歩が貢献した。
身元が確認されたのは、世界貿易センタービルの南棟89階にあった投資銀行キーフ・ブルエット・アンド・ウッズで証券アナリストだったスコット・マイケル・ジョンソンさん=当時(26)=。犠牲者2753人のうち、遺体の身元が確認された1642人目となった。
犠牲者の身元が新たに判明したのは昨年8月以来、約1年ぶり。見つかった遺体の一部は約2万2000に上り、市検視局は身元確認に力を尽くしてきたが、ほとんどがDNA解析が最も困難とされる骨であった上に、火や熱、ジェット燃料にさらされたことでDNAの多くが破壊または損傷していた。
骨が細かいほどより多くのDNAが抽出できるため、同局法生物学室のマーク・デザイア室長補佐が率いるチームは、超音波を使うことでより細かい粉砕に成功した。解析・複製したDNAを同室が保管する1万7000件の犠牲者や家族のDNAサンプルと照合して確認したという。