【27日付ニューヨークタイムズ】公務員としての立場を利用し、不動産業者などから賄賂を受け取り、資金洗浄をしたとして連邦賄賂罪などで有罪判決を受けていた、民主党選出のニューヨーク州元下院議会議長、シェルドン・シルバー被告(74)に、マンハッタン区の連邦地方裁判所は27日、懲役7年の実刑判決を言い渡した。
バラリー・カプローニ判事は2件の政治汚職事件について「私利私欲以外のなにものでもない」と厳しく批判した。
同被告は2015年、連邦収賄罪で有罪、懲役12年の実刑判決が下されたが、17年に控訴審で判決が覆され、その後の再審により今年5月に再度、同罪で有罪判決を受けていた。被告は実刑に加え、175万ドル(約1億9400万円)の罰金の支払いも命じられた。
同判事は15年の判決から刑期を短縮した理由について、「(懲役12年は)刑罰としての目的を達成するには不必要に長過ぎる」と説明した。
同被告は1994年から2015年までの21年間、州議会下院議長を務め、アンドリュー・クオモ州知事および元上院院内総務のディーン・スケロス被告=収賄罪などで有罪=と並び、「州政界で最も影響力のある3人」といわれていた。
しかし、同被告が有罪判決後に同判事に宛てた手紙では自らを「失意の男」と表現し、「塀の中で死にたくない」などと弱気な発言が記されていたという。
州では今年に入ってから、州当局の元幹部4人が有罪判決を受けている。