大塚 洋一(Gulliver USA) 車の豆知識 第75回 新車のオプション品と諸費用

 車の購入を検討するとき、せっかくだから新車にしようか、数年しか使わないから中古車にしようか、と迷うことがあると思います。その判断の基準として、価格があるのはもちろんのこと。中古車の場合はコンディションも気になるところですが、意外と知られていないのが新車のオプション品と諸費用です。

①新車のオプション品

 オプションというと革シートやナビゲーションなど、作り込みのものを想像しがちですが、付属品の取捨選択を簡単にできるものもあります。代表的なものはフロアマットです。「え? あれって当たり前に付属してくるものじゃないの!?」。そう思った人も多いかと思いますが、実はこれはオプション品です。新車時に購入しないという選択も可能なんです。ディーラーが販売時に何も言わずに見積もりに含めているのです。
 純正のフロアマットは300ドルから500ドルほどしますので、買わずに社外品のフロアマットを購入するという手もあります。社外品は形やサイズがぴったりではない汎用品もありますが、車種1台1台に合わせて作っているものもあるので、意外と問題ありません。
 また、スペアキーも実はオプションです。これも皆さん「当たり前のように付いてくる」と思いがちですが、これはディーラーがメーカーから仕入れる際に追加注文しています。鍵は個々の車両ごとに作られるので、「買わない」という選択肢はありませんが、価格に含まれています。新車はもちろんですが、中古車を買うときにはスペアキーの有無をしっかり確認しましょう。スペアキーは新車で購入しても中古車で購入しても、名義登録後にディーラーのサービス工場に本人が行けば有料で作れます。

②諸費用

 諸費用の中で「Distance Fee」という項目がありますが、これはメーカーの工場からディーラーまで運んでくる陸送費用です。「それってディーラーが払うべきものじゃないの?」と思いがちですが、諸費用として請求されています。
 私たちが買取査定するときに、新車の価格を尋ねることがありますが、これらのオプション品や諸費用(陸送費)、税金や法定費用なども「車両代(=車両本体価格)」として認識されている人が多いです。しかしこれは「新車購入費用の総額」ですので、「車両代」ではありません。減価償却計算をする場合は、これらを差し引いた「車両代(=車両本体価格)」から計算しなくてはいけません。

 新車の価格は、こうした事前に含まれているオプション品や諸費用も加味して決められています。ちなみに、新車の価格を決めるのはメーカーではなくディーラーです。当然、メーカーからの仕入れ価格はあるわけですが、これもディーラーによって異なります。たくさん売っているディーラーは多く注文するので、メーカーからの仕入れ価格も安くしてもらえるという具合です。しかし、ディーラーは仕入れ価格も販売台数も公表しませんので、そのディーラーの新車価格が高いからといって、仕入れが高いとは限りません。逆もまた然りです。
 ウェブサイトなどで簡単に価格を調べようとしても、「車両本体価格」が出てきます。中古車に比べて新車はその他の諸費用が驚くほど高いので、「出費」として本当に比較したい場合は「新車購入費用の総額」をディーラーに直接問い合わせる必要があります。

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大塚 洋一
2004年に(株)ガリバーインターナショナル入社。対企業向けのコンサルティング営業部スーパーバイザーを経て、06年に直営店舗事業部へ転属。日米で店長を経験し、15年2月より米国代表に(NY店店長兼務)。豊富な知識と丁寧な接客に定評あり。緊急時や時間外も対応で心強い。
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