動物に危害を加えられた場合、ひどい痛みを伴うけがを負うことがあります。また、その経験は心の傷を引き起こす原因にもなり得ます。小型犬でさえ、大きなけがを引き起こす可能性があります。動物が原因で負傷した場合、身体的傷害およびその他の損害を賠償金として受け取ることができます。
動物に危害を加えられたとして、いくつかのケースがあります。裁判所において最も一般的なケースとしては、①犬にかまれたなど突然動物が人を襲うケース、②馬が飛び跳ね落馬するなど、動物が予期せぬ動きをしたためけがをするケース、などが挙げられます。
①動物が人を襲うケース
もしも突然、犬などのペットに襲われた場合、傷害を補償するために、その飼い主を訴えることができます。犬を連れていた人がその犬の所有者でない場合でも、犬を連れている人を訴えることもできます。
一般的なルールとして、その動物が以前にも危険な行動を犯した経歴があった場合や、動物を扱っている人が、その動物による他人への危害を阻止しなかった場合、などは勝訴する可能性が高くなります。
ピットブルなどの犬は、ニューヨーク州の法律で「危険な動物」とみなされます。つまり、ピットブルにかまれた場合、危険行為を犯した経歴を証明する必要はありません。
同様のケースとして、野生動物がペットとして飼われている場合にも当てはまります。一般的ではありませんが、猿などの野生動物を違法にペットとして飼っている人もいます。万が一、野生動物が人を攻撃した場合、そのペットの所有者は刑事犯罪で訴追され、傷害補償金のために民事裁判で訴えられます。
②動物の予期せぬ行動によりけがをするケース
もしも動物が人を襲うことなく、動物の予期せぬ行動によりけがをした場合、一般的な規則としては、その動物が以前、同様の行動をとったことを証明しなければならないとされています。
例えば、乗馬レッスン中に突然、馬が飛び跳ね、落馬して負傷しました。馬に直接襲われたわけではありませんが、予期しないところで飛び跳ねた馬の行動によって負傷しました。こういった場合を考えてみましょう。けがによる補償金を受け取るためには、馬が過去にも飛び跳ねたことがあったかどうか、または以前なんらかの行動のため、他の人にもけがを負わせたことがあったかなどの証明が必要となります。証明されれば、馬の所有者は、過去にその馬が危険な行動をとっていたにもかかわらず、乗馬することを許可し続けていたため、けがを負わせたとして責任を問われる可能性があります。
動物により負傷した場合は、できるだけ早く弁護士に相談してください。
Steven W. Epstein スティーブン・エプステイン弁護士
ブランディーズ大学、ニューヨーク・ロースクール卒。18歳から法律事務所で働き始め、2003年まで弁護士組合員として幅広い分野の訴訟を担当。04年に独立し、「Steven W. Epstein & Assosiates法律事務所」を設立した。取扱い業務は、民事訴訟、会社法(設立、契約)、家庭法(離婚)、刑事訴訟など、多岐に渡る。また、NY市行政裁判所にて非常勤審判官も務めている。
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