【15日付ニューヨークタイムズ】ニューヨーク市内でバーの数が急増し、道路にごみが散乱し飲酒関連の暴行事件が頻発しているとして、36の地域団体が連合で、ニューヨーク州の酒類販売許可局(SLA)に対し、酒類販売許可証(リカーライセンス)の発行を制限するよう求める運動を展開している。
1993年に制定された州法では、500平方フィート(約46平方メートル)内に同許可証を持つ事業体が3店舗ある場合、新規発行に公聴会など厳しい制限を課す。36の地域団体は同法の厳格な運用を求め今月中旬、アンドリュー・クオモ知事や州関係者に書簡を送った。
SLAによると、2000年に5391件だった同許可証の発行数は現在、7616件と41%増加。特に、再開発の進むブルックリン区ウイリアムズバーグでは40件から238件、クイーンズ区ロングアイランドシティでは40件から94件に急増している。
市民団体、ネイバーフッズユナイテッドのディエム・ボイドさんは「SLAは市民の生活の質よりも、バーやレストランの経営者を優遇している」と批判。これに対しSLAの報道担当官は、「(許可証発行に当たっては)公聴会で住民や地域委員会、地域選出の議員からの意見を聞き、生活環境保護と地域発展のバランスを考え判断している」と反論している。