【16日付amニューヨーク】ニューヨーク市を拠点に活動するホームレス母子支援団体、ウィメン・イン・ニード(WIN)は、ホームレスの子どもたちの学習支援を目的とした夏のキャンプ「WINキャンプ」を無料で開催、今年は約700人が参加した。
キャンプは月曜から金曜まで毎日、10週間にわたり実施。プログラムはSTEM(科学、技術、工学、数学)および文化・芸術に重点を置いている。モルガン・スタンレー勤務のプログラマーがプログラミングの基礎を指導する他、演劇や音楽のクラスやボルダリングなど運動の時間、科学博物館への遠足などもある。
35年続くWINの代表を3年前から務めている元市議会議長のクリスティーン・クインさんは、「ホームレスの児童や生徒は、年齢遅れで学年を始める傾向があり、転校も多いし欠席率も高い。だから1日も無駄にできない」と話す。また、「母親の仕事や就職活動の際に、ベビーシッターを雇う必要もなくなる」として、母親に対する同キャンプの利点も指摘する。
WIN子ども部門のディレクター、タマラ・オルティスさんは、「級友と離れる夏休みは疎外感や孤立感を味わいがち。夏のキャンプが子どもたちの心の拠り所にもなっている」と、精神面での効果も強調した。