【21日付ウォール・ストリート・ジャーナル】クイーンズ区のラガーディア空港(LGA)から離陸する飛行機の騒音が、同区東部および東北部の住民約8万3000人に直接的な健康被害を及ぼす恐れがあるとの研究結果が今月15日に発表された。同区選出のニューヨーク州議会トニー・アベラ上院議員(民主)は、飛行経路の変更を求めている。
問題の経路は、LGAからの出発便が狭い回廊を通り空港の東から北へ旋回する飛行経路「テニスクライム」。数年前までは全米オープンテニス選手権大会(USオープン)開催時にのみ使用されていたが、 米連邦航空局(FAA)が2012年、同経路を常態的に使用すること認めていた。
コロンビア大が8月15日付の学術誌に発表した研究結果によると、同地域の住民は同経路の常用以降、60デシベルを超える連続的な騒音に長期間さらされ、循環器系疾患や不安神経症を患う可能性が高まっているという。
研究は同経路が、飛行パターンの最適化、飛行時間の短縮や費用の節減、汚染の削減など一定の経済的利益を生む一方で、住民が受ける被害はこれを上回ると指摘。なお、同研究は周辺住民の健康データを基にしたものではなく、仮説に基づき騒音が健康に及ぼす影響を調査したもの。