【26日付ニューヨークタイムズ】米国を代表する劇作家のニール・サイモンさんが26日、肺炎の合併症のため入院していたマンハッタン区の病院で亡くなった。91歳だった。
サイモンさんは1963年発表のブロードウェーコメディー「裸足で散歩」や65年の「おかしな二人」で成功を収め、68年の「プラザスイート」、74年の「サンシャインボーイズ」などヒット作を次々と生み出し、83年から86年の半自伝3部作「ブライトン・ビーチ・メモリーズ」で名声を決定的にした。91年の「ヨンカーズ物語」でピュリツァー賞を獲得した他、その生涯でトニー賞、ゴールデングローブ賞など多くの賞を受賞している。映画の脚本も多数手掛け、ヒットさせた。手掛けた作品は65年から80年にかけて9000回以上、上演された。その偉業をたたえ、マンハッタン区西52丁目にはサイモンさんの名前を冠した劇場もある。
1927年7月4日、ブロンクス区生まれ。人生の機微を表した作品は、不仲だった両親のもとでの少年時代や、ユダヤ系として生まれ育った環境が影響しているともいわれている。サイモンさんは後年、「観客が笑ったときが満ち足りる瞬間だった。私にとっての『栄養』は笑いだった」と振り返っている。