ヘイトクライム、減少傾向でも根強く アジア系住民への嫌がらせも

 【28日付amニューヨーク】ニューヨーク市警察(NYPD)は28日、市内で発生した宗教や人種などの偏見からの憎悪犯罪、ヘイトクライムの年初から今月28日までの認知件数が、昨年同期比で8%減少したと発表した。
 ユダヤ教の祭日に向けた警備体制に関する会議で発表された。同日までに報告されたヘイトクライムは219件。昨年同期は239件だった。ユダヤ人に対するヘイトクライムは95件で、昨年の108件と比べ12%減少。イスラム教関連は25件から16件で、昨年比36%減だった。
 NYPDの広報担当、ジェシカ・マックローリー巡査部長は「地域住民との協力と、メディアを通じた意識の高まりが減少につながった」と報告書の中で指摘している。
 市内でヘイトクライムは減ってはいるが、なくなったわけではない。ブルックリン区ベンソンハーストでは今月4日から5日にかけて、アジア系住民が経営する店舗など5つの壁にスプレーで「中国人は魚のように臭い」と書かれてあるのが見つかった。マンハッタン区ハドソンハイツでは26日、消防署の車庫などに、ナチの象徴であるかぎ十字や「ナチの豚野郎、死ね」との差別的文言が黒いマーカーで書かれていた。いずれも防犯カメラが犯行の一部始終を捉えており、NYPDは捜査を続けている。

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