【18日付ニューヨークタイムズ】米国人写真家、ダイアン・アーバスの未公開作品11枚が11月2日から、マンハッタン区チェルシーのデイビッド・ズワーナー・ギャラリーで展示される。
11枚は、65枚の連作「Untitled(邦題:無題)」の一部。1969年からアーバスが自殺した71年にかけて撮られ、発達障害者を被写体としている。「無題」は、72年にニューヨーク近代美術館(MoMA)が、2003年にカリフォルニア州のサンフランシスコ近代美術館が展示。1995年には写真集も出版されたが、全作品は収録されなかった。
同ギャラリーを経営するデイビッド・ズワーナーさんは、展示作品について「(作品が発表された)70年代初めでもそうだったと思うが、今でも過激。あまりにも赤裸々で見るに忍びないほど。温かみがある半面、辛辣。作品が醸し出す感情の振れ幅は大きい」と話した。展覧会実現に協力した、サンフランシスコ市のフランケルギャラリーの代表、ジェフリー・フランケルさんも「アーバスの作品をより多くの人に知ってもらいたい」と願っている。
アーバスは1923年、ニューヨーク市生まれ。ファッション写真家として活躍した後、双子や小人、精神障害者、性転換者、見世物小屋の芸人などを被写体にした作品を発表した。