【23日付ニューヨークタイムズ】再利用可能で、保温・保冷機能を持つステンレス製水筒を開発・販売するスエルが、ニューヨーク市内の公立校とチャータースクールに通う高校生全員に、小売価格1本40ドルの同社製ボトル32万本を寄付する。これを受けて市教育局も再利用可能な水筒の使用を促進するプログラムを展開。「脱・使い捨てペットボトル(脱プラ)」運動に取り組む。
市を拠点とするスエルはフロリダ州出身のサラ・クラウスさん(43)が2010年に創業。同社は20年までに再利用可能な水筒が使い捨てのペットボトル1億本に取って代わることを目標に掲げている。クラウスさんは、高校生が「ペットボトル削減運動の尖兵」として、周りの人を啓蒙することを期待していると話す。
市によると、今回の取り組みで年間5400万本のペットボトルの使用が削減される見込み。市長室の持続可能政策の責任者、マーク・チェンバースさんは「(高校生たちが)再利用可能な水筒を使うことで『脱プラ』をアピールする良い機会」と歓迎した。
「脱プラ」は市内で広がりを見せている。今年4月には市営の公園などで、ペットボトル入りの水やジュース類の販売を禁止する条例案が市議会に提案された。プラスチック製のストローや買い物袋を禁止する動きもある。