銃声と勘違い、数千人パニック 制御不能の群衆、危険性浮き彫りに

 【3日付ニューヨークタイムズ】マンハッタン区のセントラルパークで9月29日に行われたグローバル・シチズン・フェスティバルの会場で、大きな音を銃声と勘違いした何千人もの観客がパニックに陥った。頻発する銃乱射事件への恐怖が高まる中、大勢が集まる場での有事の際、統制不能となった群衆の危険性が浮き彫りとなっている。
 この日、ラッパーのカーディBが歌い終わりステージから降りると突然、銃声のような大きな音が会場に響いた。取り乱した観客らは身をかがめ、数少ない出口に押し寄せた。中には「銃撃だ」と叫ぶ人や裸足で逃げ出す人も。ニューヨーク市警察(NYPD)の警官がマイクで数千人の観客に対して「発砲はない。落ち着いて」などと呼び掛けたが声は届かない。会場内に設置された出入り口やフェンスは倒れ、人々は転倒し、その上を逃げ惑う人々が踏みつけた。一部の警官は観客に「かがめ」「走れ」などと指示し、人々の恐怖をあおった。
 重傷者は出なかったが、群衆が混沌となった危険な状態は警察や警備の専門家、政策立案者などに衝撃を与えた。翌日、音の原因は空のペットボトルを踏んだ破裂音だったことが判明した。