極右と反ファシズム団体が衝突 殴る蹴るの暴行、12人の行方追う

 【15日付ウォール・ストリート・ジャーナル】マンハッタン区アッパーイーストサイドの政治クラブ、メトロポリタン・リパブリカン・クラブ周辺で12日午後8時20分ごろ、極右団体「プラウドボーイズ」の構成員と反ファシズム団体「アンティファ」の構成員が衝突、殴る蹴るの暴力沙汰となった。ニューヨーク市警察(NYPD)は15日、会見を開き、事件に関わったとして暴行容疑などで12人の行方を追っていると発表した。
 発表によると12日、プラウドボーイズの創始者、ギャビン・マッキネス氏が同クラブで民主党や主流メディアを「馬鹿にする」講演を行っており、周辺には同氏の支持者や同氏に抗議する人が集まっていた。プラウドボーイズの構成員はトランプ大統領が提唱するスローガン「MAGA(米国を再び偉大な国にしよう)」と書かれた赤い帽子を被っていた。講演が終盤に差し掛かったころ、黒いマスクをしたアンティファの構成員が帽子を見て挑発。プラウドボーイズの構成員らが激高し、集団で暴力を振るったという。一部始終は映像に捉えられていた。
 行方を追っている12人のうち9人はプラウドボーイズの構成員。マッキネス氏は同団体を「西部の愛国主義者」と呼ぶ。一方で公民権を擁護する非営利団体、南部貧困法律センターは同団体を、憎悪感情を拡散させようとするヘイト集団だと位置付けている。
 残りの3人はアンティファの構成員。同団体は人種差別的な行動をとったりファシズムを標ぼうしたりする人に対して、ときに暴力的に振る舞うことで知られる。このうち1人には、プラウドボーイズ構成員の所持品を奪ったとする強盗の疑いもある。

NYPDが公開した容疑者の写真