公共住宅で暖房システム改善 NYCHA計画、市長「40万人の利益」

 厳しい寒さとなる冬を前に、 ニューヨークのビル・デブラシオ市長は18日、市住宅局(NYCHA)が運営する公共住宅で、ボイラーの新設や交換、暖房技術者の増員など、暖房システムの改善が行われたことを発表した。記録的な寒さとなった昨冬に発生した相次ぐ暖房トラブルを教訓に、安定した暖房供給と迅速な復旧を目指す。
 同日付カーブドニューヨークによると、昨年10月から今年1月までの間に、暖房がない中で48時間以上過ごした公共住宅の住人は全体の80%以上。市の発表によると、今回の改善では暖房技術者を50人増員した他、専門知識を持つ外部の作業員とも請負契約を締結。修理が行われる前には、影響を受ける住人に録音音声による電話案内が届く。緊急時にも暖房供給を継続するため、5台の移動式ボイラーも準備したという。
 また昨冬、暖房に慢性的な故障や不備のあった8万7000世帯に対しては集中的な対策もとった。15の公共住宅でボイラーを修理または交換し、6つの公共住宅には移動式ボイラーを設置した。加えて高齢者用の7600戸では、冷気が室内に入るのを防ぐために窓枠を修理。他にも供給停止を防ぐため、外部の専門家による暖房設備のメンテナンスも導入した。
 デブラシオ市長は声明文で「NYCHAの公共住宅で暮らす40万人の利益となる。まだ手始めで、今後さらに改善していく」と述べた。