クオモ知事、鉄道トンネルで撮影 トランプ政権に損害アピール

 【19日付ニューヨークタイムズ】ニューヨークのアンドリュー・クオモ州知事は17日、ハドソン川の下を通る鉄道用のトンネルに、ハリウッド映画の撮影班を連れて訪れた。同トンネル改修工事の必要性をトランプ政権に納得させるため、証拠を集めたビデオを制作する目的だという。
 オバマ前大統領は、同州およびニュージャージー州が110億ドル(約1兆2376億円)をかけて行う、新たな鉄道用トンネル「ゲートウェー」の建設計画の費用の半分を連邦政府が負担することを約束していたが、トランプ政権はこの約束を反故にしている。
 クオモ知事はこの日、カメラの前で大きなコンクリートの塊が抜け落ちた壁や、さびて破損した鉄柱などを指し示してアピール。「トランプ大統領がビデオを見て損害を知り、1つの地下鉄駅の問題ではなく、米北東部の問題だと理解してもらいたい」と述べた。
 ニューヨーク・ニュージャージー港湾公社(PA)によると、2012年のハリケーン「サンディ」による洪水で、老朽化していたトンネルのコンクリートと鋼鉄の壁や高圧線に腐食が生じ、新たなトンネル建設の必要性がより高まったという。
 1910年に建設された同トンネルは、1日に450本の列車が通過。混雑時には1時間に24本が通過するという。

損害部分を指し示すクオモ知事(右)。クオモ知事のツイッター(@NYGovCuomo)より