【22日付ニューヨークタイムズ】ブルックリン区の米陸軍基地で今年6月、ピザの配達中に不法滞在が発覚し、米移民税関捜査局(ICE)に拘束され、7月に解放された男が、妻に暴力を振るったとして暴行罪で起訴されていたことが分かった。
この男はエクアドルからの移民、パブロ・ビジャビセンシオ被告(35)。起訴状によると同被告は今月18日、ロングアイランドの自宅で妻を壁に突き飛ばし、平手打ちした後、妻の携帯電話を取り上げたとされる。通報を受けたニューヨーク市警察(NYPD)の警官が同被告を逮捕した。NYPDは通報者の名前を明かさなかった。
同被告は2008年に米国に入国し、10年3月の入国管理局による聴聞のあと、同年7月までに出国することを命じられたが、米国にとどまった。妻と2人の子どもを養うためにクイーンズ区のピザ店で働いていた。
今年6月1日、ブルックリン区の米陸軍基地に配達に訪れた際、市が発行する身分証明書(IDNYC)を提示。その場で身元調査が行われ、10年の国外追放命令が発覚し、ICEの捜査官に拘束された。ニュージャージー州の移民施設に53日間拘束された後、連邦地方裁判所の判事に「模範的な市民」だとして釈放されていた。
同被告を代理するリーガル・エイド・ソサエティーの広報担当者は「(同被告の)移民施設への拘束と強制送還への危機は家族に大きな精神的衝撃を与えた」と話していた。