信号機タイマー、191台で不具合 ノロノロ運転の原因、MTA

【29日付amニューヨーク】ニューヨーク州都市交通局(MTA)は、運行する地下鉄の信号機のタイマー191台に不具合があり、列車が不必要に速度を落として走行する原因になっていると発表した。
MTAは、信号機が運転手に制限速度を厳守させる制御装置の役目を果たすと説明。列車が速度を超過した場合、非常ブレーキが作動して列車が停止し、運転手は罰金を科せられる。MTAは今年8月、地下鉄のタイマー約2000台全てを導入以来初めて点検。うち191台に不具合があることを発見した。不具合が最も多かったのは地下鉄L線とQ線だった。
地下鉄の運転手の中には信号機が正常に作動していないことを知った上で、タイマーに不具合のある信号機で急ブレーキを踏まないように指定速度の半分の速さで走行する人もいる。運転手歴11年のセス・ローゼンバーグさんは「信号機の故障は遅延を生み、運転手のストレスも増す」と話す。運転手歴18年のベテラン、ジョー・コスタレスさんも「制限時速20マイル(約32キロメートル)のところは15ないし10マイルで進むのが長年の不文律」と指摘する。
地下鉄は現在、全体の約30%で延着。MTAは不具合の多い路線から修理を開始する予定だという。将来的には、制限時速をコンピューターで制御する信号機に変えていく計画だ。