【2日付ニューヨークタイムズ】ブルックリン区のシナゴーグ(ユダヤ教会堂)で1日、反ユダヤ主義の落書きが見つかった。「Die Jew Rats(ユダヤのネズミどもは死ね)」などと書かれている。ニューヨーク市警察(NYPD)が2日、明らかにした。10月27日にペンシルベニア州ピッツバーグのシナゴーグで、男が銃を乱射し11人が死亡する事件が起きたばかり。同区やマンハッタン区でユダヤ人を標的とした憎悪犯罪(ヘイトクライム)が相次いでいる。
今回新たに落書きが見つかったのは、ブルックリン区プロスペクトハイツのユニオン・テンプル・オブ・ブルックリン。NYPDによると建物内の壁に黒ペンで書かれ、「End it now(今すぐ自殺しろ)」「Jew Better Be Ready(ユダヤ人は覚悟しろ)」などの文言もあったという。ラビ(ユダヤ教指導者)のサメス師は「うんざりだ」と話した。
同じ日にマンハッタン区のハドソン川沿岸のコンクリートでも、ナチスのシンボルであるスワスティカ(かぎ十字)がスプレーで書かれているのが見つかった。10月30日にはブルックリン区ブルックリンハイツの住宅数軒の壁にチョークで書かれたかぎ十字の落書きが見つかっている。
NYPDの統計によると、市では今年、前年同時期より16件多い142件の反ユダヤ主義ヘイトクライムが報告された。全体(290件)の約半数に迫る。