【12日付ウォール・ストリート・ジャーナル】ニューヨーク市のレティシア・ジェームズ市政監督官は今月6日のニューヨーク州司法長官選で当選したため、来年1月に退任する。これを受けブルックリン区選出のカルマン・イエガー市議会議員(民主)はこのほど、予算削減のため、市政監督局の廃止を求める条例案を提出する意向であることを発表した。
イエガー氏は条例案で、次の市政監督官の任期が終了する2021年に同局の廃止を提案。市議会で可決された場合、20年の選挙で住民投票に付される。
ジェームズ氏の後任を選ぶ特別選挙は来年予定されており、市議会議員のジューマエイン・ウィリアムズ氏(民主)や州下院議員のマイケル・ブレイク氏(民主)などが出馬を表明。ジェームズ氏から後任が決まるまでの間、同職は空席となるため、イエガー氏は「同職の必要性を図るのに絶好の機会」だとしている。
同局の年間予算は最高300万ドル(約3億4200万円)で、市政監督官の給与は年間18万4000ドル(約2097万円)以上。同局が廃止されると、市は年間数百万ドルの予算を削減できる。マイケル・ブルームバーグ前市長も09年に、同職の廃止を非公式に提案していた。
市政監査官の職は1993年に新設され、これまでにビル・デブラシオ市長を含む4人が同職を務めた。市議会を取り仕切るが投票権は持たず、その名の通り、市政の監視役的立場にある。