【18日付ニューヨークポスト】非営利団体「チルドレンズ・コミュニティー・サービス」(CCS)が運営するニューヨーク市内のホームレスシェルター6カ所が、市ホームレスサービス局が実施した検査で「劣悪」の評価を得ていたことが明らかになった。一方で市はCCSとの契約件数を増やしており、問題視されている。
ホームレスサービス局が昨年、CCSが運営するブロンクス区のシェルター1カ所とブルックリン区のシェルター5カ所を検査したところ、ベビーベッドが破損していたり、感電防止用のコンセントカバーを装着していなかったりするなど、幼児に対する安全確保の怠慢がみられた。また、シェルターの入居者が適切な社会保障を受けているかもチェックせず、定住向けアパートの紹介を怠っていた。
市内では現在、1万1400人のホームレスが89カ所のシェルターで暮らしている。CCSは、その約3分の1に当たる30カ所を運営。市は2015年から17年にかけてCCSに運営費5億1760万ドル(約584億円)を支払っており、今年10月には総額2130万ドル(約24億円)の契約を結んでいる。
ホームレス関連の業務を請け負う別の非営利団体の代表は、「CCSは仕事をまともにしていないにもかかわらず新しい契約を取っている。これには驚きを通り越して怒りを覚える」と憤慨。ホームレスサービス局のアリアナ・フイッシュマン広報担当官は、「新規契約において必要な措置を講ずるよう求めており、状況を見守っている」と弁明している。