【26日付ニューヨークポスト】ブルックリン地区検事局の女性元検事補に盗聴されプライバシーを侵害されたとして、元交際相手の男性とその家族や友人ら約700人が26日、同元検事補と同検事局、ニューヨーク市などを相手取り、損害賠償を求めて同区連邦地裁に集団提訴した。
被告は通信傍受罪などで今年2月、懲役1年の有罪判決を下され服役中のタラ・レニック受刑者(43)。判決によると同受刑者は2016年、既婚者だった市警察(NYPD)のジャレット・レミュー刑事と不倫関係にあったが、同刑事が別の女性検事補と交際を始めたことに嫉妬。2人の動静を監視するため、検事補の立場を利用して裁判所命令を偽造し、18カ月にわたり同刑事と相手の女性の携帯電話を盗聴、記録するなどした。
今回の訴えで原告側は「被害者は2人に限らない」とし、レミュー刑事らの電話が盗聴され違法に記録されていた間、電話やテキストメッセージの相手であった家族や友人のプライバシーも深刻に侵害されていたと主張。同受刑者は市の雇用下にあっただけでなく、盗聴や記録が市の資金や設備を使って行われ「手続きにも問題がある」として、市にも責任を求めた。
同受刑者は有罪判決後、同検事局から解雇処分を受けている。「破滅的で不健康だった。恋に狂って(検事局での)15年間のキャリアを棒に振った」と涙ながらに話していた。