会談しても収穫なし? NY州知事と大統領、トンネル計画

 【29日付ニューヨークタイムズ】ニューヨークのアンドリュー・クオモ州知事とトランプ大統領は28日ホワイトハウスで、ハドソン川底に敷かれたハドソン川トンネルの修復・拡張計画に関する昼食会談に出席した。知事は連邦政府からの同計画への支援を改めて要請したが、大統領からの明確な回答は得られなかったようだ。
 同計画は、2012年のハリケーン「サンディ」で損傷した既存のトンネルの修復に加えて、新たなトンネルを開通させ沿線の鉄橋を拡張する「ゲートウェー計画」から成る。予算は修復費用の20億ドル、ゲートウェー計画の110億ドルを合わせて130億ドル(約1兆5000億円)を計上している。州とニュージャージー州は15年、連邦と資金を半分ずつ負担することで当時のオバマ政権と妥結したが、トランプ大統領は合意を棚上げ。その理由について、同計画の中心的な推進者であるニューヨーク州選出のチャック・シューマー連邦上院議員(民主)の広報担当は「大統領は、トンネル計画への支援をメキシコ国境との壁建設同意の取引として使いたいのだ」と非難していた。
 知事と大統領は昨年も同計画について話し合い、お互いが「建設的だった」とのコメントを発表したにもかかわらず進展がなかった。同トンネルは築104年。知事は今年10月、老朽化が激しいトンネル内部を撮影した映像をトランプ氏に送り付けていた。

10月17日、ハドソン川トンネルを視察するクオモ知事。同知事のツイッター(@NYGovCuomo)より