ニューヨーク市警察(NYPD)は4日、緊急時の捜査や大規模イベント時の歩行者誘導などの任務にドローン(小型無人機、UAV)を使用する計画を発表した。マイクとカメラを搭載したコンパクトなタイプの他、熱画像処理や3Dマッピングの機能を備えたタイプ、訓練用の合計14機を導入。警察業務の幅が広がると期待される一方で、プライバシー保護との両立が問題化しそうだ。
発表によると、NYPDがドローンを活用するのは、行方不明者の捜索や救出、事件・事故現場の記録、立ち入り困難な場所での証拠収集の他、大規模イベントでの渋滞緩和や歩行者の誘導、人質が絡む重大事件の捜査など。警察長が使用を許可すれば、他の任務でも使うという。日々のパトロールや交通規制には使用せず、令状のない捜査での運用や、武器を搭載しての飛行も禁止する。運用には特別な訓練を終え、免許を取得した技術支援対応部隊(TARU)の隊員が当たる。全米の約900の州・自治体の警察や消防、緊急部隊が既にドローンを活用しているという。
一方で、市民団体は同計画に反対。非営利の人権擁護団体、市民自由連合(NYCLU)は「ニューヨーカーのプライバシーに対する深刻な脅威だ」との声明を発表。リーガル・エイド・ソサエティーはツイッターで「NYPDが軍隊化する危険な一歩になりかねない」との懸念を示した。