【4日付ニューヨークポスト】民事訴訟制度の改正を目指す非営利団体「全米不法行為改革財団(ATRF)」が4日、民事訴訟が多い地域のランキングを発表、ニューヨーク市は1位のカリフォルニア州、2位のフロリダ州に続き3位だった。
別名、「司法悪の巣窟リスト」と呼ばれる同ランキングはATRFが毎年、不法行為に基づく民事訴訟の数を集計して作成。ATRF代表のタイガー・ジョイスさんは「訴訟を突き詰めていくと、被害者がはっきりしないケースが多々見受けられる」と呆れ顔だ。
たとえば食品関連の訴訟。パッケージでは大々的に「Organic(有機栽培)」をうたいながら、実はそれほどでもないといった苦情の類で、2017年に起こされた同様の訴訟の22%がニューヨーク市だった。「ジュニアミンツ」の箱の4分の1以上は「空気」で「上げ底」だと製菓メーカーを訴えた集団訴訟もあったが、マンハッタン区連邦地裁は却下。「クレーマー」をあおる原告側弁護士、それに協力的な判事、法の整備を怠る議員が、「根拠のない訴訟」の温床になっているとジョイスさんは批判する。
2016年の民事訴訟で企業が払った賠償金額は4億2900万ドル(約482億7000万円)。米独立企業連盟のディレクター、グレッグ・バーヤさんは「企業はこれを消費者に転嫁する」と指摘、この転嫁によりニューヨークでは1家族当たり年間6600ドル(約74万円)の支出増になっているとの法律改革研究所(ILR)の試算もある。