【5日付amニューヨーク】ブルックリン歴史協会は、同区に住む50人のイスラム教徒の証言を「ブルックリンのムスリム」としてまとめ、ホームページ上で紹介している。
同プロジェクトを担当したザヒール・アリさんは、「ブルックリンはイスラム教徒を歓迎してきた土地。だからこそ文化や宗教が花開いた」と指摘する。職業も年齢も出身地も異なるムスリムが登場し、「多様な経験を語り継ぐことが重要だと考えた」と、趣旨を説明した。
同サイトで経験を共有するコンサルティング会社経営のデビー・アルモンタサーさんは、イエメンの生まれ。ニューヨーク州北部バッファロー市で育ったが、両親が米国社会になじむよう、宗教教育に重きを置かなかった。38年前にブルックリン区に引っ越してきて、コボルヒルにある「イスラミック・ミッション・オブ・アメリカ」のモスクを訪れ、イスラム教に興味を持つようになった。「このモスクのユニークなところは、多様性を受け入れること」と話す。
市議会議員のスタッフを務めるシャハナ・ハニフさん(27)は同区ケンジントンで生まれ育った。男性が支配的なムスリム社会で男女平等を唱えることの苦労を証言している。
同協会では今後、小中学生向けの教材も作成する予定。アリさんは、「宗教は違っても共通点があることを示し、『共感すること』を育みたい」と強調した。