【9日付アート・ニュースペーパー】難民認定を求めて中米から米国へ北上する数百人の「移民キャラバン」に対して11月末、メキシコ国境沿いで米国境警備隊が催涙ガスを発射した問題で、使用された催涙ガスはマンハッタン区のホイットニー美術館評議会の副議長、ウォーレン・カンダース氏が会長兼最高経営責任者(CEO)を務める製造会社、サファリランドのものであったことが分かった。同美術館周辺で6日、カンダース氏の辞任を求めて約250人が抗議デモを行った。
抗議デモは米国先住民およびパレスチナ人などの支援と地域の高級化反対運動などを行う市民団体「デコロナイズ・ディス・プレイス」が主導したもの。抗議者らは煙を炊き、「催涙ガスは命取り」「汚れた金を使うな」「カンダ―スは去れ」などと書かれたプラカードを掲げ、「美術館を独立させろ!」と繰り返した。
同美術館の職員約100人は11月30日、美術館幹部に宛て、カンダ―ス氏が催涙ガスを扱う企業に関与していることへの抗議と、同氏の辞任を求める文書を送達していた。
文書を受けカンダ―ス氏は、催涙ガスは非致死型であることと、同社の役割は製品が正確に作動することを保証するだけで、いつどのように使用されるかの責任は負わないとする文書を同評議会に送達していた。