現金1万ドル、落とし主のもとに 地下鉄駅に置き忘れ

 【10日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】地下鉄の駅に置き忘れた現金1万ドルが持ち主のもとに戻るという「奇跡」が昨年12月にマンハッタン区で起きていたことが分かった。
 同区在住のアイヤ・ツレマガンべトバさんはクリスマス直前の12月20日、地下鉄1、2、3番線66丁目駅のホームで、ベンチに現金1万ドルが入ったシャネルのバッグを置いたまま列車に乗り込んでしまった。72丁目付近で置き忘れたことに気が付き、すぐに引き返したがバッグはなくなっていた。クリスマスに生まれ故郷のカザフスタンに帰る予定で、1万ドルは子どもたちにプレゼントを買うためのものだった。一縷の望みを託してニューヨーク市警察(NYPD)20分署に遺失物届けを出した後、失意のうちに出国した。
 バッグを拾ったのは、元金融コンサルタントのリチャード・タバーナさん(63)。落とし主につながるメモがロシア語で書かれていたため自宅に持ち帰ったところ、100ドル札が100枚入った封筒を見つけてびっくり。翌日、同分署に届け出たという。
 1月になり、ニューヨーク市に戻ったツレマガンべトバさんはバッグを受け取り、「夢のよう」と大感激。カザフスタンから持ち帰った金の兵士像をタバーナさんにお礼として贈り、子どものための慈善団体にタバーナさんの名前で1000ドルを寄付したという。

アイヤ・ツレマガンべトバさん(中央)。本人のインスタグラムより