【22日付amニューヨーク】ニューヨーク市警察(NYPD)は22日、ギャングに遭遇した際の対処方法をバーチャルリアリティー(仮想現実、VR)技術を使って教える3日間のプログラム、「オプションズ」を開始、発表した。10歳から15歳の若者が対象。運営資金の50万ドル(約5500万円)は非営利団体のNYPD財団が拠出した。
プログラムはVR用ゴーグルを着けるところから始まる。市内の学校周辺を背景にCGによる男女のギャングが目の前に現れ、ギャングに入るよう勧誘される。参加者が「受諾」「拒否」「口実を使って回避」の3択からどれかを選ぶと、それぞれ現実的なシナリオが展開する。回答に合わせて状況悪化をいかに食い止めるかを学ぶ仕組みだ。
NYPDによると、シナリオはブルックリン区ブラウンズビルやイーストニューヨークなど市内で治安が悪いとされる地域で青少年が実際に体験した内容に基づいて作成。今後は、選択肢を増やす、予想外の展開を示すなど、工夫を加えていきたい意向だ。通行人を不意打ちする「ノックアウトゲーム」の対処法も考案中だという。
同区で地域社会との調整役を務めるジェイソン・アナガザスティー巡査(33)は「仮想現実では間違った選択をしてもかまわない。プログラムで学び、現実に遭遇した際は正しい選択をしてほしい」と話した。