【23日付ニューヨークタイムズ】ニューヨーク州議会で23日、不法移民の学生も大学進学のための州の学資援助および奨学金を受給できるようにする「ドリーム法案」が可決された。アンドリュー・クオモ知事は近く署名し法制化すると約束した。同法案が民主党から最初に提案されたのは2013年で、上院で僅差により否決されていた。
州では、州内の高校卒業者が州立または州内の市立大学に進学する場合、一般より安い州内出身者用の学費を適用。同法案では、不法移民を含め、学費援助制度の条件を満たす学生全てに州から資金を援助し、支援を拡大する。
これまで不法移民の生徒の多くは、大学進学を希望しても金銭的余裕がなかった。移民政策センターによると、財政的制約により毎年、州の高校を卒業する不法移民約4500人のうち、大学に進学できるのは5%から10%にとどまるという。
同法案は熱心な移民活動家として知られ、昨年11月に敗血症のため47歳で亡くなったホセ・ペラルタ議員(民主)をたたえ、同議員の名が冠された。クオモ氏は23日、同議員の家族らと面会し、ツイッターで同議員を「ドリーム法案のチャンピオン」と称賛した。
一方で、共和党議員の多くは「税金を不法移民のために使うことを有権者にどう説明するのか」と困惑している。カリフォルニアおよびテキサス、ニューメキシコ、ワシントン、オレゴン、ミネソタ州では、既に同様の州法が可決されている。