「トランプ氏からも便宜受けた」 銃許可証を不正発行のNYPD元警部補

 【24日付ニューヨークタイムズ】富豪や権力者に銃携帯許可証を発行する見返りに個人的便宜や金品を授受したとして、収賄などの罪を認めていたニューヨーク市警察(NYPD)の元警部補、ポール・ディーン被告(46)が23日、トランプ大統領と長男のドナルド・トランプ・ジュニア氏、トランプ氏の元顧問弁護士のマイケル・コーエン被告=選挙資金法違反などで有罪=にも不正に許可証を発行したと証言していたことが分かった。
 裁判所書類が明らかにした。ディーン被告は2017年、取得が困難な銃携帯許可証の発行の見返りに賄賂を受けた罪で起訴され、罪を認めた。不正発行のほとんどは上司のマイケル・エンドール警視に指示されたと供述している。
 同被告の供述によると、NYPD銃所持許可証審査課には上層部にまで広がる「組織的な汚職文化」が存在。NYPDが賄賂によって便宜を図った人物のリストがあり、トランプ氏ら3人も同リストに列挙されている。トランプ氏側がNYPDと密接につながる2つの慈善団体に寄付する見返りに、許可証を発行したという。
 NYPDは申し立てについて、内部捜査課および連邦捜査局(FBI)の公職汚職捜査班が捜査、他の人物を起訴するだけの根拠は見つからなかったという。ジェームズ・オニール本部長は24日、同被告の申し立てについて「極めて疑わしい」と述べた。

オニール本部長=23日
(photo: NYPD)