NY市の高校卒業率73% 着実な伸び、要件緩和も影響

 【1月30日付ウォール・ストリート・ジャーナル】ニューヨーク州が1月30日に発表した報告書によると、ニューヨーク市内の昨年の高校卒業率は73%で、2017年の71%から上昇した。州全体の高校卒業率は例年とおおむね変わらず80%をわずかに上回った。
 高校卒業率の上昇は全米においてみられる傾向だが、市ではブルームバーグ前市長時代から着実に上昇が続いている。昨年6月の期日には間に合わなかったものの、8月までに卒業証書を手にした生徒の数を加えると卒業率は約76%に達する。08年に9年生だった市の生徒の卒業率は60%だった。ビル・デブラシオ市長は授業の多様化や資金増強など、教育制度改革が奏功したと評価した。
 州教育局は15年から州統一試験の代わりに芸術や技術教科で卒業認定を行ったり、統一試験に合格していない身体障害者の生徒の一部の卒業を許可したりするなど、卒業要件を緩和する対応策を講じてきた。州では昨年、約1万1200人の生徒が、対応策の恩恵を受け卒業していた。州全体の昨年の白人生徒の卒業率は89%で、アジア人が87%、黒人は70%、ヒスパニック系は69%だった。
 一方で、市によると昨年の市内の高校卒業者のうち市立大学(CUNY)の英語および数学の大学準備基準(カレッジレディネス)に達していたのはわずか67%だった。

Fort George G. Meade Public Affairs Office