銃所有者はこう考える 「厳格な身元調査何のため?」「家族守れない」

 【5日付WNYC】銃を自宅以外の場所で持ち歩くことを制限するニューヨーク市の銃規制条例は、合衆国憲法で保障された権利を侵害するとして、銃擁護団体などが市を相手取り起こしていた訴訟の審議が、米連邦最高裁判所でこの秋から始まる。市内に6カ所ある射撃場の1つ、クイーンズ区リッジウッドの「セネカ・スポーティング・レンジ」で、WNYCが銃所有者の声を聞いた。
 エンジェル・アビラさんは警備員。厳格な身元調査と訓練を受け、ニューヨーク市警察(NYPD)からの許可も得て1日14時間、銃を持ち歩く。地下鉄に乗ることもあるが、「管理は万全」と胸を張る。ただしあくまで「仕事用」で、就業時間外や週末は自宅から銃を持って出られない。「暴漢に襲われたとしても全く無防備。これでは家族を守れない」と不満をこぼす。全米ライフル協会(NRA)に加盟するニューヨーク州ライフル拳銃協会会長で、市を相手取った今回の訴訟の原告の1人、トム・キングさんは、「持ち歩けないのでは意味がない。何のための身元調査か」と怒る。
 NYPDによると、現在市は家屋銃所持許可証を1万6300通発行。ジェームズ・オニール本部長は1月、「市内の銃犯罪件数が1950年代以降最小なのは銃規制のおかげ。それは誰もが認めるところだ」と話していた。

セネカ・スポーティング・レンジの公式ホームページより