【7日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】バージニア州のマーク・ヘリング司法長官は6日、1980年代に行われた大学のパーティーに「黒塗り」で参加したと認め、謝罪した。
ヘリング氏はマンハッタン区ハーレム出身、ヒップホップ音楽の伝説的存在のラッパー、カーティス・ブロウさんのまねをしたと釈明。同州ではラルフ・ノーサム知事に同様の疑惑が浮上、ヘリング氏は同知事の辞任を求める発言をしたばかり。ニューヨーク・デイリー・ニュースは、ブロウさんに話を聞いた。
「黒塗り」がまだ残っていたことに衝撃を受けたというブロウさん。「われわれが体験してきた(差別の)歴史を考えれば、顔を黒く塗ることほどの侮辱はない。『傷口』を深く広げるだけだ」と非難した。ヘリング氏がノーサム知事を糾弾したことについても「よく言えたもんだ」とあきれる。
一方で、現在は牧師でもあるブロウさんは「人種差別を克服できるのは愛しかない。傷ついた心を癒やすのも愛」と説く。「誰でも過ちを犯す、今回のことも昔のことだ」と理解を示し、ヘリング氏のために祈りを捧げたいと寛容な姿勢を示した。
ヘリング氏は辞任すべきかとの問いにブロウさんは、「私には裁く権利はない」として、バージニア州民の声に耳を傾けるよう忠告。同州の有権者や政治家たちがどう判断するか、成り行きを見守りたいとしている。