性的虐待疑いの聖職者189人公開 NJ州の5カトリック教区

 ニュージャージー州の5つのカトリック教区は13日、少年少女らに性的虐待を加えた疑いのある元聖職者のリストを一斉に公開した。
 州内にある全5教区がそれぞれのリストを公開。合計で189人に上った。司祭とこれに次ぐ助祭の名前、出生年と執務に当たった教会名の他、告発の数が複数あったかどうかを一覧できる。リスト内の全員が教会執務を退いているか、既に死亡している。
 5教区のうち最多の63人の聖職者を公開したのは、州最大の都市があるニューアーク教区。ジョセフ・トービン枢機卿は「この開示が、人生を深く傷つけられた人を癒す一助になればと心から願う」との声明を発表。「カトリック教会の運営への信頼を取り戻す1歩になってほしい」と述べた。
 州西部のカムデン教区のリストに記載された聖職者は57人。州中央部の州都トレントンの教区は30人、パターソン教区は28人、メアチェン教区は11人だった。全5教区は既に法執行機関にリストを受け渡したという。
 州は昨年9月に大陪審を通して召喚状を発行する権限を与えた特別捜査班を設立し、被害者のための専用ホットラインを設置していた。今年1月には1990年代に少女に乱暴したとしてフィリップスバーグのカトリック司祭を逮捕、特別捜査開始後、初めての検挙となった。
 ガーバー・グレウォル司法長官はリスト公開を「全容解明につながる第1歩」として歓迎。刑事処分も視野に、捜査の結論を出す意向を明かした。