「慢性的ホームレス」克服 NJ州バーゲン郡、全米初

 【20日付WNYC】連邦住宅・都市開発省は、ニュージャージー州バーゲン郡が「慢性的ホームレス」問題を2017年に克服したと認定した。認定は全米で初めて。
 全米ホームレス撲滅同盟による慢性的ホームレスの定義は、「少なくとも1年以上、または繰り返し路上生活の状態」。同郡では約10年前、数百人のホームレスを抱え、4つのシェルターを運営していた。
 同郡はまずハッケンサック市にハウジング・ヘルス・アンド・ヒューマンサービシーズ・センターを建設しホームレスを集約。同センター所長のジュリア・オーランドさんは、「食事、住宅、サービスを1カ所で提供し、ホームレスの要望に応えられるようになった」と振り返る。さらにホームレスに住宅を提供する意思のある地元の家主との関係を改善し、維持することにも努めた。こうした努力が功を奏し、16年には退役軍人のホームレスがゼロになった。現在は、ベビーブーマー世代(1946年から64年生まれ)や18歳から24歳の若年ホームレスに焦点を当てて対策している。
 オーランドさんは、地域住民の理解と協力が鍵と指摘。「最終的には全ての住民のためになると説得することが肝要」と話した。