騎馬警官が馬と一緒に定年退職 警官63歳、「相棒」15歳

 セントラルパーク内を巡回する唯一のニューヨーク市警察(NYPD)騎馬警官、勤続34年のジョン・ライリー刑事がこのほど馬と一緒に定年退職を迎えた。ニューヨークタイムズが2月28日、伝えた。
 NYPDが定める定年退職の年齢は63歳。NYPDは勤務年数に応じて年金受給年齢を55歳から62歳と定めており、ほとんどの職員は受給資格年齢に達すると退職する。ライリー刑事のように63歳まで勤め上げる例は珍しいという。
 「『相棒はいないのか』とよく聞かれるが、『そこにいるよ』と答えてきた」と馬のトルーパーを指差すライリー刑事。同紙によると犯人の逮捕は行わないが、どんな悪天候でも任務を休むことはできず、大雨の中、落馬したこともあるという。
 NYPD騎馬隊に所属して24年。これまで6頭の馬に乗ってきたが、トルーパーとの付き合いが最も長い。そのトルーパーも15歳で、ともに定年となる。引き取りたいと思ったが、市内のアパート住まいでは無理と断念したという。郊外の農場で手厚く飼育され、警官の訪問も自由だと聞いて安心している。
 ライリー刑事は同紙の取材に「私の下手な歌や冗談によく耐えてくれた」と話し、「相棒」に大好物のジェリービーンズを与えた。
 同紙によると、同騎馬隊には現在100人の警官と55頭の馬が所属。今後はセントラルパーク専任を置かず、数人の警官が交代で担当するという。