苦情訴えた住民に立ち退き請求 発端は自宅にバスケットボールコート

 アパートビル内に作られたバスケットボールのコートが騒音や振動の原因になり、それが発端でいさかいとなり、アパートから退去を命じられたのは不服として、階下の住人がこのほど、コートを設置したとされる家族とアパートの管理組合に対し、コートの撤去と立ち退き請求の撤回を求めてマンハッタン区地方裁判所に提訴した。ニューヨークポストが11日、報じた。
 同紙によると、訴えたのは西95丁目160番地のコープアパートに住むジェシー・レバインさんとその同居人。レバインさんらの2階下に住むローリン・グロルマンさん一家は2014年、7階に所有する2つの部屋をつなげ、バスケットボールコートを含む120平方フィート(約11万1500平方メートル)の部屋に改装。レバインさんによると、完成後の15年から試合が始まり、レバインさんらは騒音や振動で悩まされ続けたという。
 一方で、グロルマンさん側は同紙に対し、「リングネットを壁に取り付けただけ」と反論。騒音はあったとしながら、レバインさんらが苦情を申し立ててきたときには、既に6層の防音装置を施し、騒音検査にも合格していたとして、レバインさんらの主張を疑問視する。
 状況が改善しない「腹いせ」にレバインさんは昨年11月、グロルマンさん宅のドアの鍵を壊すなどして逮捕され、有罪を認めた。コープの管理組合は、不適切行為を理由にレバインさんらに立ち退きを請求。グロルマンさんが元組合長だったことから、レバインさんは不公平だとして今回、訴訟に踏み切ったという。